2月22日に公開された歌声合成「NEUTRINO」。なんと2日たたずに投稿動画100本を超えました。中でもAIきりたんはすさまじい人気っぷりを見せていますね。
さて、この記事では「二次創作で使えそうなAIきりたんの特徴」を列挙していきます。私がAIきりたんの調声を行う中で気づいた傾向が、結構創作勢にも楽しいカンジのものだったので共有します。これをネタに誰か漫画とか描いて……。
AIきりたん
AIきりたんの詳しいことはこちらを見てください。

AIきりたんは息をしないといけない
ソフトウェアシンガーはソフトウェアなので、どんな長いフレーズでも息をせずに歌いきれます。でも、AIきりたんは息継ぎできないと肺活量が足りなくてだんだん息切れを起こします。
AIシンガーには「肺活量」という概念がある。#AIシンガーきりたん も、息継ぎができないボカロ曲を歌わせると、だんだん息が足りなくなってかわいそうなことになります。 pic.twitter.com/Og1uBzS1Rd
— くろ州=N種P (@kM4osM_96s) February 22, 2020
「息をしないといけないソフトウェアシンガー」はエモい。
でも、息継ぎ自体は人間ではありえないスピードでできるのでその辺は機械っぽい。
Twitterやニコ動では「人間に近づきすぎた代償」という評価もある。エモ。
ドSなマスターたちは苦しそうなきりたんに特別な感情を抱いているらしいことも分かった。
AIきりたんは早口言葉が苦手
初音ミク先輩は早口言葉への耐性が強い。VOCALOIDといえば高音高速歌唱みたいなところありますよね。AIきりたんはソフトウェアシンガーなのに早口言葉が苦手なので、「初音ミクの消失」なんて歌わせたときには、それはもう苦しそうになります。
この、VOCALOIDに勝っているような負けているようなところも双方良い。VOCALOIDのエモさが引き立つ感じもある。
AIきりたんは好みじゃない曲が歌えない
AIきりたんは曲の好き嫌いが激しいです。上で見たように、苦手な曲は本当に歌えない。オールラウンダーなVOCALOIDと比べると、AIきりたんは「得意なジャンルでとびぬけた力を発揮するタイプ」のソフトウェアシンガーなのです。
ちなみに、歌える曲でも難しいフレーズはかったるそうに歌うので、プロデューサーは楽譜をきりたんのために書き換えないといけません。わがままシンガーめ。
好みの曲が来たときには最初からほぼ完ぺきに歌いこなしてくれます。
依頼を受けるときはAIきりたんに歌えるか確認をとらないといけない
VOCALOIDの調声依頼は頑張るのが調声師なので、自分ができると思ったら調声依頼を受けられます。でも、AIきりたんへの調声依頼は「一回きりたんにこの楽譜歌えるか聞いてみていいですか?」ってプロデューサーが取引相手に聞かないといけない。
上記の通り、AIきりたんは苦手な曲が歌えません。プロデューサーのほうで修正できることも多いですが、どうしたってできないこともある。依頼を受けてからそれが発覚するともう本当にどうしようもないので、あらかじめAIきりたんに簡単に歌ってもらって、行けそうなら依頼を受けるということにしないと事故る。
例えば、AIきりたんは拗音が苦手というかどうしても歌えないなので「にゃー」とか「びゅー」とかが歌詞に多い曲はもう絶対にNG。AIきりたんは「読み間違い」もするのだ。
プロデューサーは、きりたんの得意不得意を把握してやらないといけない。逆に、きりたんを完璧に理解しているプロデューサーなら、依頼曲を聞いた段階で「これならきりたんの良さを引き出せるな」「この曲はきりたんには難しいな」っていうのがすぐわかるはず。エモ~~。
「あ、ここしゃくりあげたいんだろうな」っていう箇所がある
楽譜を渡せば勝手にしゃくりあげとかもやってくれちゃうAIきりたんですが、たまに「これはしゃくりあげにはなってないけど、ピッチの動きを見るとしゃくりあげたかったんだろうな」っていう箇所がよくある。こころが通じ合うんです(?)
なので、そういうときはピッチ編集でしゃくりあげを作ってやったりする。これがまた違和感なくはまりやすいんだ。
「そこはしゃくりあげしてくれていいんだぞー」ってきりたんとやり取りしてる気分になれます。
ボイロきりたんと声が違い過ぎる
AIきりたんは、きりたんというよりは中の人に近い声をしています。結構パワーがある高めの声。息っぽく低音に強いとは対照的。
まるで別人だ……。きりたんは豹変するのです。マイクを持つと声が変わる。
こういうところはポジティブにとらえていきましょ。
カラオケっぽい歌い方だという感想も結構見るので、「カラオケのときだけ急に声が変わる人」的な演出に使える。
声質はボイロに比べると若干成長したように聞こえるので、JKウナきりとかできるぞ。青春曲を歌わせると泣ける。