この秋以降、CeVIO AIが発売されて、AI結月ゆかりやAI flowerも出てくるそうですね。
VOCALOIDじゃないということですでに侃々諤々(かんかんがくがく)ありますが、それはそれとして、AIシンガーに触れる前にちょっと考えておいてほしいことがあります。
声質の聞き分けができるかどうか
あるとき、VOCALOIDの民は言いました。「CeVIOキャラはどれも声が似ていて聞き分けができない」と。
CeVIOキャラにも当然、声や歌い方の違いがあります。CeVIOを好きで聞いている人は完璧に聞き分けができるんですが、CeVIOの声を聞き慣れない人にはそれが難しいらしい(私の耳はとっくにCeVIO耳になっている)。
普通にCeVIO好きな身としては複雑な気分ですが、全く分からないでもない。
CeVIO AIの結月ゆかり・flowerに触れる人たちには「もしかしたらキャラっぽくない声になってるかも」とちょっと心の準備をしておいてほしいと思っていたりする(そもそも聞かないつもりならそれはそれでOK)。
まぁ、これはCeVIO AIに限らず、新歌声合成ソフトに対応するとなったら毎度覚悟しておいた方がいいやつですよね。声の解釈違い。
CeVIO AIは比較的聞き分けやすい可能性がある
聞き分けができないかも~~とはいうものの、CeVIOとCeVIO AIは技術的に中身がそこそこ違って、CeVIOよりは聞き分けやすいはずです。
CeVIOのさとうささらとAIさとうささらを聞き比べると(分かる人には分かると思いますが)、声質の面でAIさとうささらの方がいくらか「水瀬いのりっぽさ」があります。
結月ゆかり・flowerってVOCALOIDの中でも個性的な声質の部類だと思うので、CeVIO AIならもしくは……と期待しています。
AIシンガーは自分好みに歌うわけではない
AIシンガーきりたんについても散々言われてきたことですが、AIシンガーって別に操作が簡単なわけではないんですよね。
これまでも何百回か言ってきましたが、AI歌声合成は「楽譜を渡しただけで人間っぽく歌う」技術です。勘違いされやすいですが「楽譜を渡しただけで自分好みに歌う」技術ではありません。
自分好みの歌い方にしたいなら、他の歌声合成ソフトとだいたい同じくらいの調声作業が必要です。私もなんだかんだ、毎回AIシンガーきりたんの調声にはVOCALOIDとそんなに変わらない時間を掛けています。それ次第で普通に個性も出る。
なんなら、VOCALOIDより難しいかもですね。VOCALOIDって、ノートを短くしたら普通に音が短くなるじゃないですか。AIシンガーはノートを短くしたらピッチカーブや声質が変わったりするんですよ。しかも常に同じ動きをするわけでもない。そこをどうにかするのがAIシンガー調声力。
そこの大きな違いをあらかじめ知っていれば(許せるかどうかはともかく)ファーストインプレッションは若干柔らかくなるかなと思います。