「ボカロPとは誰を差す言葉か」という話題がTwitterで展開されていて、面白そうなので乗っかってみます。
ボカロPの定義
ぶっちゃけボカロPの決まった定義は存在しない(定めている機関がない)ので、全て正しく全て間違いみたいな状態にある。
そんな中でも「少なくとも過半数以上が納得しそうな定義」はなんとなくあるんじゃないだろうか。
それを探る(結論出ません)。
ボカロPのなり方
定義はないが、ボカロPになる(襲名する)方法はある。
ニコニコ動画に動画を投稿→誰かがP名を考えてタグにする→気に入ったP名を投稿者がタグロック
こうしてボカロPになるのだ。決まりがあるわけではないけど、そういうもの。
この文化が今も存続しているかは不明。おそらくP名を自称している人もかなりいる。最近はP名を付けずに活動している人が多い印象。
分解
「ボカロP」という単語は「ボカロ」と「P」という2要素でできている。それぞれについて考えよう。
ボカロ
人によって認識が違いますが、原義ではざっくり「ヤマハの歌声合成ソフト『VOCALOID』」を指す。狭義では「ヤマハの歌声合成技術全般」を指す。広義では「歌声合成ソフト全般」を指す。それぞれのキャラを指すことも多い。
2019年までは原義と広義しかなかったが、AI美空ひばりが登場したタイミングで狭義が生まれた。
使い分けと表記さえはっきりしていれば喧嘩にはならない(たいていはっきりしてない)。
P
プロデューサー(Producer)の頭文字。「ボカロP」を呼ぶ際の「P」はアイマス由来という。「芸能事務所のプロデューサー」をイメージする場合と「生産者(Producer)」をイメージする場合がある模様。
個人的には「ゲームのPってどちらかというとマネージャーっぽくない?」という気がしている。
解釈
文字通りに読んでみるA
文字通りに読むと「ボカロプロデューサー」になる。ボカロをプロデュースする人という意味だろう。「ボカロ」の認識ブレを加味すると、「VOCALOID(キャラ)をプロデュースする人」「歌声合成ソフト全般をプロデュースする人」くらいがいることになる。
ボカロをプロデュースしてさえいれば手段は問わない。曲でもイラストでも歌ってみたでも曲宣伝botでも多分いい。逆にボカロをプロデュースしていなければ、ボカロを使った曲を作っていてもボカロPじゃないかもしれない。
文字通りに読んでみるB
文字通りに読むと「ボカロプロデューサー」になるが、ボカロを生産する人という意味もあり得る。それ単体だとヤマハや音源開発社を指す単語になる。違和感がすごいので多分違う。
「ボカロ(曲)生産者」「ボカロ(絵)生産者」など、間に何かしら挟まると考えるのが自然そう。
プロデュースはするけどプロデュースしかしない人
ボカロキャラのプロデュースはするけど、プロデュース以外はしない人もいる。「推しを世に広めたいから、有名作曲者に曲を発注して、歌詞は今話題のあの人、イラストはよく推しをかいてくれてる推し絵師に頼んで……私は企画と雑用だけ!」という謎人類。一応、プロデューサーという称号には一番近い。
「P」にプロデューサーという意味はあるのか
個人的に「P」に意味があるのかという疑問があるんですよね。「文化的記号、もしくは一種の称号」「アイマスのPと同じニュアンスのP」という意味合いのみを持っていて、プロデュース/プロデューサーという意味は特別無いかもしれない。
そう考えると、ボカロをプロデュースしていないボカロPがいても問題は無い。
帰納法的考え方
どんな種類のP(と呼ばれる人)がいるのか調べてみると、作曲者、作詞者、調声師、イラストレーター、動画氏、エンコーダー、MIX/マスタリングエンジニア、聞き専、MMDERなどなど、本当にさまざまいる。
共通点はボカロキャラを扱っているところ。逆に考えると、ボカロPとは「ボカロキャラを扱う作曲者、作詞者、調声師、イラストレーター、動画氏、エンコーダー、MIX/マスタリングエンジニア、聞き専、MMDERなど」とかいうことになる。
ボカロPのなり方パートでも言ったとおり、動画のタグで襲名する文化があるので、動画を作る人がボカロPになりやすい。
無標
特別の指定なく「ボカロPを思い浮かべて」と言われて最初に思い浮かぶのは誰かときかれると、多分だいたいの人は「ボカロ曲を作っている人」を思い浮かべるだろう。厳密には「VOCALOID曲を作っている人」かな。
正確に定義づけしろと言われると困るが、一般的な会話では多くの人がこう捉えているだろうし、体感としては一番近いと思われる。