最近AIシンガーきりたんが出てから一気にAIシンガー熱が高まっている歌声合成ソフト界隈ですが、この道10年のCeVIOプロジェクト+テクノスピーチもかなーりAIシンガー関連の情報発信を活発化させています。
テクノスピーチは2019年11月、公式アカウントを立ち上げてSNS広報活動を始めました。
最近投稿された「CeVIO Pro(仮)」関連の情報をチェックしてみましょう。
CeVIO Pro(仮)
これまでHMMベースの歌声合成を開発してきたテクノスピーチですが、最近はAI技術(CNNとか)を使った歌声合成の製品化に向けて動いているようです。
これもまた、楽譜を渡せば勝手に人間っぽく歌ってくれるソフト。しかもGUIがある! ピッチやなんやをユーザーがちゃんといじれるようになっています。
今公式が使っているのは「CeVIO Pro(仮)」という名前。NEUTRINOがGUIがない状態で「仕事でも使えそう」と作曲家に言わしめるくらいなので、GUIがあるAIシンガーならそりゃプロ大歓喜ですわ。
多分プロ専用とかではない(価格がプロ並みとかはありえなくもないが考えにくい)。
注目ポイント① 声がささらさん
音声デモを聞くと、聞きなれたささらさんの声がします。
先日テクノスピーチの研究所に遊びに行ってきました。
現在「CeVIO Pro(仮)」の開発が進行中のようです。
色々動画を撮影してきたのでまた公開しますね!#CeVIO pic.twitter.com/Wrdtd0T76H— テクノスピーチ(Techno-Speech) (@techno_speech) February 28, 2020
これならあまり解釈違いは起きなさそう。ささらさんとは明記してないので違ったら恥ずかしいな……。
18年末のデモや、DTMステーションのCDで聞いていたよりも、歌声に安定感があります。音を外しにくい印象で、音量のブレも抑えられているように聞こえる。
ボカロ耳的には非常に聞きやすい。
逆に、ささらさんに聞こえるがゆえに、前情報なしで聞かされても人間だと勘違いできない。
注目ポイント② VSTi
作曲勢にとっては重要な要素「DAW連携」を完璧に実装してきはりましたね! REAPERやCubase上でプラグイン(VSTi)として動作するのです。
先週ツイートした開発中の「CeVIO Pro(仮)」はVSTiで動くAI歌声合成ソフトです。
色々なDAW上(Win, Mac)で動くみたいなので、たくさんの方に使っていただきたいですね!#CeVIO pic.twitter.com/txJvZR1FsP— テクノスピーチ(Techno-Speech) (@techno_speech) March 4, 2020
曲作りながら修正が加えられる。プロ御用達をガチで狙ってきてるんじゃないか?
DAW連携自体はむかーしから「そのうちやりたい」(意訳)ということを言っていたし、去年の時点で連携自体はできていた模様。
一方で、アマチュア歌声合成ソフトユーザー(特にカバー専門の人)やDTM初心者にとっては、VSTiタイプの歌声合成はハードルが高い面もある。スタンドアローン版の需要もそこそこあるんじゃないかと予想している(私が)。
注目ポイント③ Mac対応
Macの皆さん。お待たせしましたCeVIOのMac対応ですよ。これは新規顧客獲得のチャンスですね。
Linux系のDAWの中にもVSTに対応しているものは存在するので、もしかしたらLinuxでも動くかも。
そういう意味ではAndroidスマホ用DAWでもVSTに対応するものはあるけど、さすがに処理能力的に動かすのは厳しそう。
注目ポイント④ パラメーター
デモに一瞬だけ写りこんだところを見てみると、パラメーターとして
があるような感じがします。画質の関係で読み取り切れないので、本当にこれがあるかは不明ですが。
これが正しければ、今のところCS6相当のパラメーターはそろっている模様。
CeVIO民的にはこれまでの経験やテクニックがそのまま生かせそうですね。これまでCeVIOの操作に結局なじまなかったタイプの人はまだ厳しい状況が続きそうですが。
注目ポイント④ トークは?
現状、CeVIO Pro(仮)トークの情報は一切ありません。デモに写りこんだGUIにもトーク関連のパーツは見当たらなかった。
18年末以降、一般消費者向けに公開している音声デモにも話声合成のものはなかった気がする。
トークの売り上げも結構あるだろうし、なくなりはしないんじゃないかと思うが、CeVIO Pro(仮)の開発方針は歌声合成寄りな感じもするし(VST対応はトーク重視ならあまり要らない)、もしかしたらCeVIO Talk Pro(仮)みたいな別ソフトとして、現状とほぼ同じような売り方になるのかも……とか、想像しかできません。