無料で使えて商用利用もできるAIシンガーが出ました。
今風の中性的な歌声が魅力的な「知声(ちせい)」ですね。
本記事では知声の使い方をDTMer向けに解説します。
インストールからVSTiの立ち上げまでは解説省くので自分でできてください。
基本の説明
・ボーカルの名前は「知声(ちせい)」
・英語表記で「Chis-A」
・専用エディターの名前は「CeVIO Pro」
・AIが人間っぽい歌声を自動生成してくれて便利
・Win、Mac両対応
・スタンドアロンとVSTiに対応。AUは非対応
・ソフト本体が無料
・商用利用ライセンスも無料
VST版
VST版の使い方:立ち上げと基本操作
プロジェクト設定
プロジェクトのサンプリング周波数を48kHzにしてください。44.1や96では正確に再生できません。
立ち上げ方
トラックにVST3i CeVIO Pro Song Editorを読み込む。
左上「ファイル」の下に「(未選択)」とあります。ここでボーカル音源の選択と読み込みができます。最初は音源のダウンロードができていないので、表示される音源選択肢の中から一つ選んで落としましょう。
基本的に最新バージョンを選べばOK。バージョンによってちょっと音が違うので、余裕があれば全部落として聞き比べて好きなものを選びましょう。
再生方法
トランスポートはDAW側でコントロールします。そのままでも再生できますが、画面左下の雪印を押すとフリーズ機能が発動。プリレンダリングをしてくれるので、PCへの負荷を軽減できます。
フリーズではレンダリングエンジンを指定できます。好みのものを選びましょう。
テンポと拍子、キー、強弱記号
テンポと拍子、キーはDAW側の設定に自動で合わせますが、曲中で変更する場合は追従しないため、エディター側でも再指定が必要です。
画面左上の「メトロノーム」「スネア」「調号」アイコンをクリックすると、タイムバーに、テンポ、拍子、キーのバーが追加されます。強弱記号のバーは標準装備です。
記号を指定したい場所でダブルクリックすれば、テンポマーカーなどを挿入できます。なお、キーや強弱記号を変更すると、歌い方が若干変わります。
VST版の使い方:打ち込みと歌詞
打ち込み
基本は普通のピアノロールなので普通に打ち込めます。
MIDIファイルの読み込みは「ファイル」→「インポート」→「MIDI」です。
トラック上にMIDIデータがある場合は、エディター左下の「Transfer」ボタンを押した上でDAWを再生すると、再生した部分にあるノートをエディター上にコピーできます。
DAWでMIDI収録→TransferボタンON→DAW再生→ノートがエディターに反映される。
歌詞入力
ノートをダブルクリックすれば歌詞の入力ができます。
平仮名、片仮名で入力できます。英語を入力すると片仮名英語で歌います。
ノート上部のアルファベットは発音記号です。ダブルクリックで編集できます。
スラー
滑らかに歌わせたい部分にはスラーをかけます。
スラーをかけたいノートを範囲選択し、CTRL+Rを押せば適用されます。
ブレス
ブレスは自動で適用されます。意図的に挿入したい場合は直前のノートを右クリックし「プロパティー」→「ブレス」で適用できます。スタッカートやアクセントも同様に適用できます。
VST版の使い方:タイミングとピッチ、音量補正
タイミング補正
画面上部の「TMG」タブをクリックするとタイミング補正モードに入ります。
画面下部に音素バーが表示されます。境界線をD&Dで前後に移動させられます。
アタックやリリースをより細かくコントロールしたい場合は、ピアノロールに表示された赤・紫色の縦線をD&Dしましょう。一括編集機能はありません。
ピッチ補正
画面上部の「PIT」タブをクリックするとピッチ補正モードに入ります。
鉛筆ツールでは、フリーハンドでピッチカーブを描けます。矢印ツールでは、範囲選択してまとめてピッチを上下に移動できます。
VIAとVIF
VIAとVIFはビブラートの振幅と周波数です。ぶっちゃけPITで手書きした方がコントロールしやすいのであまり使いません。
音量補正
画面上部の「VOL」タブをクリックすると音量補正モードに入ります。基本操作はPITと同じです。
VST版の使い方:声質の編集
声の年齢
画面上部の「ALP(アルファ)」タブをクリックすると声年齢編集モードに入ります。基本操作はPITと同じです。上げると大人っぽく男性的に、下げると子供っぽく女性的になります。
息成分の割合
画面上部の「HUS」タブをクリックすると息成分編集モードに入ります。基本操作はPITと同じです。上げると息成分の割合が多くハスキーに、下げると密度のある声になります。
声質の一括設定
画面右上の、フェーダーアイコンをクリックすると、声質を一括設定できる「グローバルパラメータ」画面が表示されます。
ここではトラック全体のALP・HUS値を指定できます。一応VIA・VIFも設定できます。
VST版の使い方:プロジェクトの保存
CeVIO Pro側でプロジェクトを保存しなくても、DAWプロジェクトを保存していれば同じところから再開できます。
CeVIO Pro側では「ファイル」→「エクスポート」で以下のファイルを出力できます。
スタンドアロン版
スタンドアロン版はDAWなしで起動するバージョン。VST版をそのまま単独起動できるようにしたと言うよりは、CeVIO Pro専用のVSTホストというイメージ。実行すると簡易的なDAWが立ち上がり、その中でVST版が使えるような仕組み。
トラックを追加し、キーボードアイコンを押せば後はVST版と同じ。基本的な操作はすべてVST側でやる。