UTAUに新“本家”エンジン「doppeltler」登場 とりあえず一通り試した

UTAU

少し前からUTAU関連の進捗を少しずつのぞかせている飴屋/菖蒲さんですが、1月12日にUTAU用新エンジン「doppeltler」を公開されました。機能や音がresamplerやfresampとはそこそこ違うのでチェックしてみましょう。

doppeltler

私は「ドッペルエンジン」と呼んでますが、多分正式には「ドッペルトラー(どっぺるらー)」ですよね。まずは機能面から見てみましょう。

64bit対応

今日公開されたお試しドッペルエンジンをDLし、中身を見てみると「doppeltler32/doppeltler64/readme」が入っていました。64bit対応ですか先生!

64bitが何者かはわからなくてもいいんですが、ざっくりいうと64bit対応のいいところは「PCのスペックが高ければ合成が速くできる」ところです。

当たり前のようですが、エンジンが32bitだとPCのスペックが高くてもあんまり意味がありません。

実際にresamplerとdoppeltler64の合成速度を比較してみても、目で見てわかるレベルで違いが出るのでこれは強いですよ。

どれくらい違うのか実験してみました。もちろんPC環境やUSTにより違うとは思いますが、条件は以下の通り。

UST:ノートは合計約350個
音源:イナリ連続音(推し)
MyPC:CPU=i5-8250U(4コア8スレッド/1.60GHz)/RAM=12GB

合成ボタンを押してから再生が始まるまでの時間はこんな感じになりました。

doppeltler64=44秒
resampler=78秒
fresamp=186秒
TIPS=47秒
moresampler=76秒

速い。ほかのエンジンの記録も今までの体感とそんなに変わらない感じなので、ほぼ正確に計測できてるかと。

フラグ

基本のフラグ「g/B/N/P」の他、「a/R/S/i/v」があるそうです。それぞれの機能は以下の通り。

a:ノイズ成分の高域強調率(デフォルトa90)
R:前後反転
S:スレッド数
i:後部固定領域の長さ(ms)
v:後部固定領域の子音速度

夢のある単語「後部固定領域」というのがありますが、現状はUTAU本体のほうが対応していないため使えない模様。

aフラグはノイズ成分の高音域を強調するフラグ。数値が高いほど耳に痛い音になります。逆に下げ過ぎると発音が聞き取りずらくなります。うまく設定すればMIXが格段に楽になる予感。

Rフラグは前後反転。細かい仕様は微妙にわからないですが「さ」を「as」にしてくれます。単独音音源をCVVCにしてみたり「- は」を反転させて語尾息にしてみたり、使い方はアイデア次第。

Sフラグは基本いじらなくていいかと思います。デフォ以上には上げられないし、デフォ以下に下げるとスペックが下がる。

BRE

息成分の量をコントロールするこのパラメーター。doppeltlerの場合「今時の歌声合成ソフトっぽい」感じがひしひしとします。

VOCALOID5でいうところのAIRに近い感じですかね。上げれば息が多く、下げれば息が少なく、100にすると囁き声になる。音自体が綺麗めなので使いやすいです。

私はこの音好きです。resamplerに比べてノイズ感が少なくスムースな音色。fresampほどの力はないがこなれた感じで聞きやすい。個人的にはBRE25a50くらいが好みです。

速いしいい音なので、私はこれデフォルトエンジンにします。
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