一部UTAUの民に第人気なフラグといえば、Moresamplerの「Mt」フラグです。これは、下げるとささやくように弱く、上げると張り上げるように強く歌わせられる、とても良いフラグです。
これを、音域が上がるほどに高く、音域が下がるほど低く設定できたらいいですよねー。普通の音源でもキレ音階風にできるので、曲のメリハリを自動で出せる。
これを実現するには実はちょっと廻り道が必要です。取りあえずやってみましょう。
フラグをグラデーションのように変化させるプラグイン
音域に合わせてパラメーターを振るといえばこのプラグイン。これを使えば疑似キレが作れる……と思いきや、そうも行きません。
指定した音階の範囲内でフラグの値を徐々に変化させるプラグインをつくりました。 http://t.co/CVEUtang 手抜き説明図 → http://t.co/Xa6R3jhg
— masao (@namiyome) October 7, 2012
このプラグインは1文字フラグのみの対応なので、Moresamplerの2文字フラグを指定できません。というか、UTAUのフラグ系プラグインには2文字フラグに対応していないものもそこそこあるので、Moresamplerとフラグ系プラグインは相性が悪め。
実際には2016年に2文字フラグに対応しているので、これ以降の話はあんまり意味がないんですが。頭の使いようでいくらでも応用の効くテクニックなので読んでみてください。
フラグをグラデーションのように変化させるプラグイン(https://t.co/peX895gJcC)、moresamplerの2文字フラグに対応しましたhttps://t.co/bi39of4JCA
— masao (@namiyome) April 17, 2016
対応策はQフラグ
プログラミング無しでこれに対応するには「Q」フラグを使いこなす必要があります。実際にはQフラグというのは存在しないというのがミソ。もちろんどう動かそうと音には反映されません。
グラデーションプラグインで「Q」フラグを指定し、音域が上がるほどに高く、音域が下がるほど低くなるよう数値を設定します。
そしてUSTを保存してUTAUを閉じてしまいます。
で、USTをNotePad++などのメモ帳で開いて「Q→Mt」に一括変換してしまいます。(CTRL+Hでだいたい変換ウィンドウが出る)
そのUSTをまたUTAUで開くと、見事にMtフラグが音域に合わせて上下できるのです。
なぜQ?
USTをメモ帳に読み込んでローマ字を一通り検索してみると、A-P/R-Zは大抵ヒットしますが、Qはなかなかヒットしません。
CVVC音源でクァ行を使ったとか、音源名やプリフィックスにQが使われている場合を除けば、USTにはQが現れないので、「Q→Mt」という風に一括変換した場合に変なところが変にならずに済むわけです。
そういう意味ではローマ字ではなくて、「=」とか「^」とかいう記号をフラグとして適用してやるのもアリかもしれないですね。