AIシンガーの学習に使える楽曲って、詳しいことはよく分からないんですが、著作権切れの古い曲しかないんだそうです。童謡とか。
でも、じゃあ今風の歌を歌うAIシンガー作るにはどうすればいいの? って話ですよね。今回東北ずん子公式さんが公開した「東北きりたん歌唱データベース(DB)」は、きりたんが今風の曲を歌った音声を集めたもの(約1GB)。今風の歌を歌うAIシンガーが作れるかも。
※今回内容が真面目なので、中身がお仕事風になっています。
What is this?
このDBは、きりたんのアカペラ歌唱音声に加え、「研究に役立つ音素ラベル付き!」「楽譜データも付属!」という大盤振る舞いデータです。音素ラベルは私も付けたことありますが、死ぬほどめんどい作業ですよね・・・・・・。
DLするには本名Facebookアカウントでログインしないといけません。研究用ですし別に一般に名前が公開されるわけではないので問題はないですね。
規約も普通のことを普通に言っている程度で、厳しい制約はなく、むしろ結構緩い感じです。
森勢先生と東北ずん子公式のタッグは強い
今回のDBは、歌声合成(の研究)界隈では知らない人はいない森勢先生の企画。ポイントは「歌謡曲を歌っている」DBというところ。
著作権法の改正がきっかけ
どうも、2018年公布の「著作権法の一部を改正する法律」で、研究用なら著作物の利用もOKということになったらしい。「著作物を鑑賞する目的で利用しない場合」は「権利者の利益を通常害さないと評価できる」という判断が下ったっぽいのです。
要するに「きりたん萌え~」とか思いながら聞くのはアウト寄りのアウトだけど、「この歌声を用いてAIシンガーを構築しよう」とか思いながら使うのはセーフということ。
今回のDBも「観賞用としてのDLはNG」ということになっています。私もDLしようと思うのですが、観賞用では駄目なので何かしら頑張って研究します。
研究促進、声優業界と研究業界の調和を目指す
森勢先生によると、このDB配布は「手頃なDBがない」という研究者のためのもの。超重要。加えて「声優さんのお仕事先として研究界隈もあるんだよ」という事例を示したという部分も重要ですね。

森勢先生いろいろ考えすぎでは? 有能ですねありがとうございます。
(もしくはAIシンガーきりたん作成キットをください)