琴葉姉妹を歌わせる方法として、今は歌うボイスロイドだけじゃなくSynthVも登場しました。
互いにかなり性質の異なるソフトなので、それぞれに得意なことと苦手なことがあります。それを理解すれば「SynthVとボイロのどっちを買えばいいのか」「使い分けはどうすればいいのか」というところが見えてきます。
琴葉姉妹
SynthV琴葉
・声質をかなり細かくいじれる
声のハリ、息成分の割合、ジェンダー感を1音単位に縛られず、細かくいじれる。
・音素の長さがそこそこ自由にいじれる
1音の長さはもちろん、子音の長さや母音の長さも自由にいじれる。
・母音脱落がしやすい
ボイロの無声化とはちょっと違って、母音を完全にカットする母音脱落ができる。英語を歌わせたり、語尾で「です」を「でs」と歌わせたりするときに便利。
・ささやかせやすい
有声/無声パラメーターを使うとささやき声が作れる。ASMRを作りやすい。
・ExVoiceを作りやすい
音の長さや高さを1音単位に縛られずいじれるので、叫び声とかカウントとかExVoice風の音声が作りやすい。
・ピッチを細かく制御できる
再三言っている通り、1音単位に縛られない。どれくらい細かいかというとVocalShifterくらい。
・歌わせるまでが速い
打ち込んで再生すれば鳴る(当たり前)。
・裏声が作りやすい
テンションパラメーターを使うと裏声が簡単に作れます。
・なめらか
KotonoToneで整える必要がない。ただちょっとスムースすぎるかも。ボイロのザクザク感(?)がボイロ琴葉の魅力だったりする。
・早口に強い
聞き取りづらいことはあってもタイミングが大きくずれたり発音できなかったりすることはない。
・語尾の息遣いが自由
テンションや有声/無声パラメーターを使えば、語尾で息を抜く表現がいつでも思い通りに作れる(腕があれば)。
・動作が軽い
軽い。
歌ボ琴葉
・声質をかなり大胆に変えられる
悲しみと怒りではかなり声色や音素のディテールが違う。この違いはSynthVで演出しにくい。
・発音がはきはきしている
かなりはきはき発音していて聞き取りやすい。多分子音の明瞭さは歌声合成ソフトを差し置いてベストといっても過言ではない。子音がはっきり見える波形だ作れるのはレア。
・無声化がしやすい
かなり自然に無声化できる。母音脱落ではない。
・トークさせやすい
当たり前。
・姉妹差が出しやすい
当たり前。たとえリスナーが聞き分けられなかったとしても、音源が別々である以上、少なくとも事実ベースで姉妹差はあると(作り手側の心情としては)言える。
・低音に強い
低音がしっかりでる。
・語尾の息遣いが自然
常に語尾で息を抜いてくれるわけではないが、息を抜いてくれたときの自然さは他に類を見ない。あれがあるからこそ歌ボをやる価値があるといっても差し支えない。
・歌ボっぽい
かなり重要。歌ボの歌ボっぽさが好きな人もそこそこいると思われる。SynthV琴葉は割と歌ボの声に寄せやすいが、ちょっとおとなしすぎるし、表情の変化に富みすぎている。
・支援ツールが多い
たくさんある。たくさんないといけなかった面もあるが、KotonoFaderとかKotonoToneは他の歌声合成ソフトを触るときも便利。
・比較的安定している
歴史がある分動作は比較的安定している。歌ボをするときにはスピード感はないかもしれないが、ソフト自体はほぼノータイムで調文を読み上げ始められる程度には速い。