調声力を鍛えるために歌声解析力をつけよう

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調声力を鍛えようとする人って、割と高確率で歌声合成ソフトの操作テクニックみたいなところを知りたがりがち。そこは最重要ポイントじゃないんだな~~とか思いながら見ている。

調声うまい人はピッチカーブ書くだけでふつうに超うまい調声できるし、調声が下手な人はありとあらゆるテクニックを使っても下手だったりする。

では、まず鍛えるべきはなにか?

耳(聞き取る能力)だ。

耳の力

調声力は大きく分けて以下の力からできている。

・耳=聞く力
・頭=考える力
・手=再現する力

まずは歌を聴いて耳を鍛えます。「この人はこういうフレーズでこういう歌い方をする」「ビブラートはこういうときに使うといい」「今のボーカルフライいいな」などなど、使えそうな要素を耳で盗めるようにならないといけない。

慣れてない人の解像度では「今の歌い方(詳しくはよくわからん)いいね!」にしかならない。これだと調声には使えない。

耳が鍛えられていれば「今のサビ冒頭、音程が大きく上がるところでしゃくりあげるんじゃなくて激しめにビブラートかけるのいいね!」とかいうことが聞き分けられるようになる。これなら調声するとき「ここではビブラートかけてみるか」みたいな判断ができる。

聞き分けがつくようになったら、頭の中に「理想の歌い方」を学習したモデルを構築して、楽譜が与えられたら調声の方向性がつけられるようにしていく。

その後、理想の歌い方を再現できるようテクニックをつけていくのだ。

異論は認める。

とりあえず聞くべきところ

まずは人でも歌声合成でもいいので歌を聴こう。聞くべき要素はこのくらい。

・ピッチの動き(しゃくり/ビブラート/こぶし/フェイクなど)
・音素(無性化/母音脱落/帯気音化/声門閉鎖/二重母音など)
・声質(ファルセット/フォルマント/息成分/力み具合など)

全部一気に聞き取れるようになるのは難しいので一つずつ分解して聞き取れるように訓練していくのがいいのでは?

やるべきことは「音と表現方法を耳で結び付けて覚える」ということ。「この音はビブラート!」「この音はk子音の食後にボーカルフライを入れてからの母音a」「この音は1音だけフォルマント低め」といったふうに音を覚えていく。

リズム感を大事にする人はそこを聴けるようにすればいいし、音量を重視する人は底を聞けばいい。

→実際に解析してみた

歌の表現を実際に解析してみよう
前回の記事で「調声力を鍛えるにはまず耳を鍛えるべき」みたいな話をしました。今回は、うまい人の歌を実際に聞いて耳で解析してみましょう。 今回解析するのは大石昌良の「幻想アンダーグラウンド」とYOASOBIの「夜に駆ける」です。長...

参考になる動画

歌がうまいのは前提として、ピッチや音素などがどうなっているか視覚化されていないと覚えようにも覚えられない。どれがビブラートか教えてくれないから。

そこで参考になるのが「調声晒し動画」。ニコ動で探せばいっぱい出てくる。

ピッチしか見えないことも多いけど、少なくともピッチを耳で覚えるのにはとてもいい。

あと、YouTubeでは「歌声解析動画」みたいなものもある。こちらはより詳細に解説してくれるので良いぞ。

【歌い方】夜に駆ける / YOASOBI (難易度S)【歌が上手くなる歌唱分析シリーズ】

上で挙げた3つの要素をすべて解説してくれていてとても勉強になる。

まずは耳を鍛えよう。
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