NEUTRINOきりたん最大の弱点は「ピッチやタイミングをいじろうにも見やすいEditorがない」というところだった。とっつきにくい。
でも、NEUTRINO用Editorを作ってくれた人がいるんですよ。中でも見やすく感動したのが、sigさん開発の「NEUTRINO調声支援ツール.exe」(NEU Editor=ニューエディターと勝手に呼んでる)。
見た目もいいし、作業効率爆上げだし、何よりピッチ編集による音質の劣化がないのが最強。
10分でこのくらい調声できた……
音の劣化も(あたりまえだが)ない pic.twitter.com/X7AS5wKz9j— くろ州=N種の歌声合成で○○ (@kM4osM_96s) March 18, 2020
Neu Editor 1.1.0.0
Neu Editorでは主に「タイミング編集」「ピッチ編集」ができます。見た目はほぼほぼCeVIOだし、できることもそこそこ似てる。ただ、操作の癖は若干ある。
インストールと初期設定
配布ページ真ん中あたりの「▶Assets」を開いて、中にある「NEUTRINOTyouseiSienTool.zip」をダウンロードします。
これを展開すればインストール完了。
NEUTRINO調声支援ツール.exeを起動して、左上のメニュー(三本線)から「環境設定」を選びます。
出てきたウィンドウでNEUTRINO本体を置いてあるフォルダを指定してやれば初期設定も完了。
XMLを読み込んで合成
まずは一気にゴールまで行きます。XMLを読み込んで最初に合成してしまいます。
メニュー→「読み込み」→「basenameから読み込み」で楽譜をインポートします。
左のNEUTRINOタブを開いて実行ボタンを押します。
出てきたウィンドウで、上から順番にボタンを押していきます。
1つ目がLAB生成
2つ目がパラメーター推定(AI)
3つ目が音声化
です。一応、⚙からキー変更やジェンダーの設定ができます。
「ファイルを自動で再読み込みする」にチェックを入れておきましょう。
これで準備は完了。いよいよ調声に入ります。
データの読み込み
出来上がったLAB(タイミング)、WAV、f0(ピッチ)ファイルは自動でインポートされます。
下の図のようになれば正解。左のタブからlabを選べばタイミングがいじれるし、f0を選べばピッチがいじれる。
ただし、最初にいじるのはタイミングです。CeVIOと同じ。これは絶対です。
タイミング編集
音素のタイミングは縦線をD&Dで前後するだけです。即時反映機能とかはないので、変更しても波形は変わりません。
一曲丸ごとタイミング編集が終わったら、メニューからLABの書き出しを行いましょう。上書きでOK。
再合成
もう一度音声合成します。NEUTRINOタブから、NEUTRINOとWORLDを実行してください。これで、タイミング編集が音声に反映されます。
タイミング編集は、やり直すたびにこの再合成をやらないといけなくて、かなり時間を喰うので、できる限り一発で済ませましょう。
タイミング編集をすると再合成時にf0=ピッチカーブが書き換えられるので、タイミング→ピッチの順で編集しないとピッチ編集の跡が全部消えます。
ピッチ編集
これでやっとピッチ編集に入れます。基本は鉛筆ツールでピッチカーブを手描きするだけです。
他には、
などがあります。いずれも「範囲選択してカーソルを上下する」と使えます。
例えば、スムージングとビブラートはこう。
・ピッチカーブを滑らかにする機能
・ビブラートをつける機能 pic.twitter.com/u8cKnyQe5D— くろ州=N種の歌声合成で○○ (@kM4osM_96s) March 18, 2020
範囲選択して、そのままカーソルを上下すると、ビブラートの幅が大きくなったり小さくなったりする。ビブラートの速さは⚙から変更できます。
満足出来たら、f0を書き出しましょう。これも上書き保存でOK。
再合成リターンズ
また音声を合成します。これで最後。
NEUTRINOタブからWORLDだけ実行すれば、タイミング+ピッチ調声済みの音声が合成できます。
これで完成!
個人的な要望
GUIがついた時点で、作業効率爆上げだしとっつきやすさも出てきたし、何よりクオリティーが上げられるようになった。
個人的にはこういう機能が欲しい。
最強か……