歌声合成ソフトのパラメーターをDAW側で再現する

歌声合成ソフトを触っている人は、ソフト側で音量やピッチがいじれるのはご存じですよね。他にもいろいろいじれたりしますが、ソフトによってはそういうパラメーターがないこともあります。そういうときは、書き出したあとにDAW側で色付けしてやればいいのです。そっちのほうが楽なこともある。

子音の長さ

子音の長さを長くしたり短くしたりできるパラメーター。VOCALOIDのVEL、UTAUの子音速度、MUTAのTMGなど。

DAWの「音程を変えずに再生速度を変える機能」
Auto-Tune Pro

タイミング

子音の長さに限らず、母音のアタックリリースなど全体的なタイミングをいじるパラメーター。CeVIOのタイミングやSharpkeyの音素など。

DAWの「音程を変えずに再生速度を変える機能」
Auto-Tune Pro

音量

音量をいじるパラメーター。大体のソフトについてる。

DAWのボリュームオートメーション
ゲイン系VSTeでオートメーション

ブレス量/ブレス比

息成分の量や比率をいじるパラメーター。VOCALOIDのBRE、AIR、SynthVのブレシネス、有声/無声など。

明瞭度

要するにサチュレーター。VOCALOIDのBRI、CLE、Sharpkeyの亮度など。

WAVES Vitamin他サチュレーター
真空管シミュレーション系コンプ
マイクシミュレーター

口の開き

VOCALOIDでしか見たことないパラメーター。下げると音が不明瞭になる。

EQのハイシェルフで高音を落とすと似た感じ
こもり気味のアンプシミュレーター

ジェンダー

声の若さや性別をコントロールするパラメーター。

Formant Shift(INTERNET)
https://www.ssw.co.jp/products/vst/formantshift/
AVOX THROAT(Antares)

ポルタメント

ノート間のピッチの動きをコントロールする。VOCALOID、UTAU、Aquestoneなどに実装されている。

WAVES TUNE
Kerovee

ピッチ

音程をいじるパラメーター

Auto-Tune
WAVES TUNE
VariAudio

パワー

音量ではなく、声の力強さをコントロールするパラメーター。Sharpkeyの力度、VOCALOID5のエキサイター、SynthVのテンションなど。

EQやエキサイターで4kHzチョイ下くらいを上下させる

フィルター

ノイズを消すためにローパスやハイパスがついている歌声合成ソフトがある。UTAU。

普通にフィルターVSTe

コンプレッサー

音量を-6dBくらいにそろえるパラメーターが存在する。UTAU。

普通にコンプVSTe

ビブラート

ビブラートを作るパラメーター。周波数と振幅と位相くらいで作る。CeVIO、UTAU、VOCALOID、SynthV、Piaproなど。

操作性が似てるのはWAVES TUNE

パラメーターのスムージング

パラメーターの動きをスムーズにするパラメーター。VOCALOID用JobPlugin、NEUTRINO調声支援ツールなど。DAWでの直接の再現は無理。

音量のスムージング→コンプ
ピッチのスムージング→Auto-Tune、WAVES TUNE、Keroveeなど

ピッチの平坦化

ピッチを直線にする機能。VOCALOID4のピッチスナップやNEUTRINO調声支援ツールなど。

Auto-Tune
WAVES TUNE
Keroveeなど

サンプルの差し替え

出音が気に入らないときに、再生するサンプルを差し替える機能。UTAU、Sharpkey、DeepVocalなど。DAWでの実装は無理。歌声合成ソフト側でちょっと楽譜を書き換えて再生しなおし、WAVを切り貼りするなら不可能ではない。

モーフィング(Sharpkey、Cadencii)

2つの音声を混ぜ合わせて中間の音を合成するパラメーター。クロスフェードではない。VOCALOID4のクロスシンセシス、Sharpkeyの交叉、Cadencii+v.Connect STAND。DAWでの実装は無理。

KotonoFader
http://km4osm.blog.fc2.com/blog-entry-290.html
VocalShifter
Ackie Sound ダウンロード

スタイルシフト

音程はそのまま、歌い方や声色だけ他のキーのものに差し替える機能。NEUTRINOのスタイルシフト、SynthV AIのトーンシフト。DAW側での実装は無理。キーを変更して書き出した後に、ピッチ系プラグインで音程だけ元に戻すことで再現可能。

デチューン(Alter/Ego、Aquestone)

シンセでいうところのデチューン。Alter/Ego、Aquestoneなど。DAW側ではダブラーやコーラスなどで実装可能。

子音の強度

子音の強度をコントロールするパラメーター。UTAU、Alter/Egoなど。コンプやトランジエントシェイパーで実装する。

ピッチヒューマナイズ(UTAU、SynthV、Alter/Ego)

ピッチの動きをぶらして人間っぽくする。UTAU、SynthVはサンプルのピッチ補正強度を弱めるタイプ、Alter/Egoはピッチにランダマイズをかけるタイプ。DAWでの実装は難しい。ピッチを手描きすれば可能。

エンジン差し替え

音声を合成するエンジンを差し替える機能。UTAU、NEUTRINO、Alter/Egoなど。DAWでの実装は難しい。コンボリューションリバーブでシミュレーションすることはできるかもしれない。

ノートごとの音量

音量をノートごとにコントロールする機能。Piapro、UTAUなど。DAWでの実装は難しい。普通にボリュームオートメーションで書くしかない。

グロウル

仮声帯ノイズを付加する機能。VOCALOID、無印SynthVなど。専用VSTeはほぼないので、トレモロとかでシミュレーションする。

タイトルとURLをコピーしました