最近といっても2016年くらいからなんですが、それくらいから企業によって開発された歌声合成ソフトには明確な共通点があります。
それは「力強さをコントロールするパラメーター」の存在です。事例を見ていきましょう。
2016年 Sharpkeyの「力度」
中国のStarbox社が2016年にリリースした歌声合成ソフト「Sharpkey」には「力度」というパラメーターがありました。読んで字のごとく、力の度合いをコントロールするモノですね。
DYNやVOLのような音量を上下するパラメーターとは違い、力強さや声のハリ具合をいじれるのが特徴です。
値を下げると、息っぽく・弱く・ハリのない声になり、上げると、芯のある・強く・ハリのある声になります。
もちろん音量も追従して上下します。このパラメーターで強弱をつけて音量パラメーターで補正するのがいいんじゃないかと考えています。
2018年 SynthesizerVの「Tension」
東京都港区にあるDreamtonics社が開発している「SynthesizerV」には声のハリをコントロールする「Tension(テンション)」パラメーターがあります。
これも値を下げるとハリのない声、上げるとハリのある声になります。
2018年 VOCALOID5の「Exiter」
ヤマハが2018年にリリースした「VOCALOID5」には「Exiter(エキサイター)」というパラメーターがあります。VOCALOIDには以前からBRIGHTNESSという「声の明るさ」をコントロールするものがあり、これが今でいうパワー系パラメーターの前身っぽいものかなという感じ。
2019年 Piapro Studio for NTの「Voice Voltage」
クリプトンの次世代Piapro Studioには「Voice Voltage」というエフェクトがあるようです。詳細はまだわからないですが、説明を読んだ限りではこれもパワー系パラメーターのようです。
よく見たら「Voltage」って書いてある
このように、2016年以降に企業が開発・リリースした歌声合成ソフトにはたいていパワー系パラメーターが採用されているんですね。私はこれが素片接続系の最近のトレンドじゃないかと思ってます。
なお、これに当てはまらないのが「AIシンガー」達です。これも最近のトレンドですね。楽譜を渡せば勝手に音楽表現した歌声を返してくれるAIシンガーが最近の一番大きな流行なのは言うまでもない。
この記事のタイトルは「最近発売された」歌声合成ソフトの共通点なので、素片接続系のトレンドをメインでまとめましたが。
来年はAIシンガーが発売されることを願う。