8月31日にクリプトンさんが「新しいミクはVOCALOIDじゃなくて次世代Piapro Studio用音源にするよ」的な発表をしましたが、詳細が発表されましたね。新しいミクの名前は「初音ミク NT(ニュータイプ)」。VOCALOIDではなくPiapro Studio専用音源になりましたね。

正式リリースまでの日程は以下の通り
Piapro Studioがいろいろ変わった
Piapro Studioはこれまで、VOCALOIDの歌声合成エンジンを借りて音声合成してましたよね。新しい「Piapro Studio for NT(PS4NT)」はエンジンがクリプトン製です。VOCALOIDエンジンじゃないのでVOCALOIDではない。
初音ミク NTはVOCALOID Editorで使えないし、これまでのPiapro Studioでも使えない。
音を聞いてみよう
音の密度がちょっと高くなってる感ありません? 飽和感ある。よく聞くと「ですか」というフレーズが無声化して「de-s-ka」となってるんですが、結構自然では?
動画で使われているのは「Original」というライブラリらしいですが、このほかのライブラリもComming Soonとのこと。
それはそれとして、クリプトンさんはミク脱がすの好きなのかしら? 今回は自社製ソフトだからV4Xのときとは違って裸のままでもいいのかも。
スタンドアローンもプラグインも
DAWと連携しやすいので作曲勢に気に入られやすいプラグインだけじゃなく、単体で使えるのでカバー勢に気に入られやすいスタンドアローンも出すらしい。ナイス。
PS4NTはミクの音源に付属するらしいので、別途エディターを買う必要はない。VOCALOIDの導入コストが爆上げになった今、2万円で音源もエディターも手に入るというのは良いことだ。
波形表示がある
GUI(開発中)を見てみると、基本はこれまでのPSと同じですが、波形が表示されてますね。
音量が見えるのでコントロールしやすいというのもあるんですが、子音がちゃんと見えるので、ベロシティーやその他パラメーターもかなりいじりやすくなりますよ。子音の部分だけピッチ下げてみるとかしやすくなる。
歌唱・表情スタイル機能
どんな機能なのかいまいちわからないですが、「表情スタイル」というのを適用すると、基本的なピッチは発音が設定できるらしい。
説明だけ読むと、VOCALOID5の自動調声機能「Style」っぽくもありますが実際のところどうなんでしょうね。
装飾発音
「ワンタッチで装飾発音も導入できる」と書いてあります。装飾発音とは?って感じですが、ワンタッチで云々と聞いて最初に思い浮かんだのはVOCALOID5の「Attack & Releaseエフェクト」ですね。ワンクリックでエッジだったり語尾息だったりを適用できるやつ。
個人的にはあれ汎用性に欠ける感があるんですが、調声スピードでいうとかなり速くなって楽なんですよね。
エフェクター1:Voice Drive
声のふるえ成分をコントロールできるらしい。ふるえ成分とは?という感じまたしますが、たぶんピッチや音量のブレのことだと思います。
VOCALOIDでいうところのBREとかGWLに近いエフェクターだと予想。
エフェクター2:Voice Voltage
声のハリ具合や強弱がコントロールできるらしい。VOCALOID5でいうExiter、SynthVでいうTension、Sharpkeyでいうところのパワーに相当するモノだと予想。
こういう歌声の力強さを制御するパラメーターは最近リリースされた歌声合成ソフトには大体搭載されているトレンドパラメーター(ニッチすぎる新語)ですよ。
エフェクター3:Super Formant Shifter
フォルマントいじるやつ。たぶん音質がいい。
エフェクターはまだ増えるっぽい。
お値段
約2万。すでに何かしらのミク音源を持っていれば1.5万になる。
初音ミク NTはボカロか?
初音ミク NTはPS4NT専用音源なので、少なくとも「VOCALOID音源」ではありません。でも、「(広義の)ボカロ」には余裕で該当しますね。たぶんニコ動のタグもVOCALOIDでしょう。
現状、UTAUやCeVIOもVOCALOIDタグが付いていることがほとんどなので、PS4NTをわざわざハブる理由は特にない。私はメインがUTAUとかの動画でもハモリにVOCALOIDを使ってVOCALOIDタグをつけることを正当化してる。
それはそれとして、個人的にはキャラ付き歌声合成ソフトの総称として「ソフトウェアシンガー」というのを推しているので、もし迷ったら使ってみてください。