昔々、中国マイクロソフトが世に出した歌声合成「小冰」(シャオアイス)というのがおってな? ボカロdisりながらでも曲にボカロ曲を採用したりしてあほほど燃えたことがあったらしいんじゃ。
それはそれとして、この度その中国MSが小冰を歌声合成ソフト「StudioVoICE」用音源としてリリースしたんですよ。今はやりのAI歌声合成です。
ちょっと聞いてみてください。音源はStudioVoICEの「何畅」(ふーちゃん)。
中国のAI歌声合成ソフト「StudioVoICE」で『glow』中国語カバー。
ピッチのみ調声あり。 pic.twitter.com/QusIg9HLuu
— くろ州=N種の歌声合成で○○ (@kM4osM_96s) June 25, 2020
※小冰よりこっちのほうが好みだったのでこっちを使った。
よくない? 慣れればこれ30分くらいで作れるようになります。
StudioVoICE
中国MSが作ったAI歌声合成ソフト。楽譜を打ち込めば勝手に何となくしゃくりとか入れて人間っぽく歌う。中国語音源が3つ付いている。女声が「小冰」「何畅」で、男声が「阵子瑜」(じぇんずーいー)。
無料で使えるけど、フル機能を使おうと思うと中国の電話番号が必要になるのでめんどい。
無調声チェック
AI歌声合成ソフトなら、とりあえず打ち込んだだけでそこそこ歌わなければならない。ピッチや音量などの編集を一切しないで性能を測ってみよう。
ピッチ調声なし=書き出しっぱなしでもそこそこ。 pic.twitter.com/vq7BlIcFBX
— くろ州=N種の歌声合成で○○ (@kM4osM_96s) June 25, 2020
何畅よさみが深い。ビブラートはつかないけどしゃくりはそこそこ勝手についてますね。たまに音を外すあたりAIだなーって感じ。低音は息っぽく、中高音域は力強く、高音域はファルセット気味ですかね。
ミドルの気持ちよく音が出る音域が結構狭いので、パワーを出したいときは結構テクが必要。(パワーが出る音域までキーを変更して書き出し、後からピッチをもとに戻す)。
使い方
基本的によくある歌声合成ソフトなんで難しいことはないです。起動したら「新建工程」(CreateNewProject)か「打開工程」(OpenProject)ボタンを押して作業を始めましょう。中国語は見れば何となく意味が分かるからよい。
出てきた画面で音源を選びます。小冰は萌えっとした声。何畅は今どきの女性シンガーソングライターっぽい落ち着いた声で、多分一番歌がうまい。阵子瑜は男(雑)。
この画面が出てこなくても後でいくらでも変更効くから問題なし。
GUIの見方
歌声合成ソフト経験者ならまぁ大体わかると思うので、中国語すぎる部分だけ解説します。
大体わかるっしょ?
トラック
ピアノロール
見ればわかりそう
「ブレスを挿入」を選択すると、ノートの前に息継ぎが入る。AIシンガー触るときにはめっちゃよく使うので覚えておこう。ショートカットはCTRL+B。ちなみに前のノートがある程度長くないと無視されます。
文件=ファイル
ショートカットを見ればわかる(投げやり)
編集っぽいやつ
挿入
美化
上から
偏好
これはよろしくないポイントなんだけど、StudioVoICEは合成音声の波形もピッチカーブも一切表示してくれないので、今どんな音声が作られているのか全く見えない。
ノートを移動したときにピアノの音が鳴るようにしておかないと、再生するまでどんな音が出るか一切わからない状態になるので、これはオンにしておいたほうがいい。
幇助=ヘルプ
使うのはこれくらい。
使い方のコツ
基本的にベタ打ちで書き出しまでやって、VocalShifterやなんや外部ソフトで編集するのが無難。というか、StudioVoICE自体には調声パラメーターとかないので、できるのはノートの編集と合成だけ。
外部ソフトを使わなくてもそこそこ聞ける音声を作りたい場合は「-」(ハイフン)ノートを使ってノート分割でピッチをコントロールするのがいい。
上の無調声チェック動画をよく見ると、ハイフンノートが使われているのがわかると思う。あれ。
他の学習系歌声合成ソフトと比べるときれいに分割できる。が、ピッチの遷移(ポルタメント)がめっちゃきつくてそこそこケロケロするので注意。修正しにくい。そういう場合はあきらめてください。
もう一つあきらめないといけないのが「音程を外したとき」。StudioVoICEではこれの修正がなかなか難しいので、あきらめて外部ソフトを使ったほうが5倍は早い。
あと、StudioVoICEは編集するたびに合成を繰り返すので調声には結構時間がかかる。できれば一気にノート編集して一気に再生したほうがいい。熟練調声師なら音を聞かずともそこそこ調声できてしまうんですが、その力がないと作業に時間がかかってイライラするかも。ベタ打ちしかする気がない人と、音を聞かなくても調声できる人向けのソフト。
基本いじるところのないソフトなので、テクニックも少なめ。AIシンガーきりたん(NEUTRINO)で使えるテクニックが使えたりするので、極めたい人はこちらの記事を見てみてもいいと思います。
